旅先での燃ゆる思いを綴ってみました。
ご感想・ご批評等はメールか掲示板で。
中国のサッカー実況は、聞いててなんだか不愉快です。
なぜかってね、アナウンサーと解説者がへらへら笑い過ぎなんですよ。
(中国選手以外の)選手がスリップして転倒すると、
「あははは、転んでますよ!」「うははは、ドジですねー!」
(中国選手以外の)選手がPKを外せば、
「だははは、外してますよ!」「うししし、ださいっすねー!」
さらに、(中国選手以外の)選手が一生懸命にプレイしても、
「なははは、彼、熱くなってますねー!」「うぷぷぷ、バカっぽいっすねー!」
もちろんセリフは全て想像ですが、当らずも遠からずだと思います。
アメリカとポルトガルのオウンゴール合戦の時なんか、
腹がよじれてるんじゃないかってほど爆笑してましたから。
中国で見かけた映画のタイトルです。
さて、なんの映画でしょうか?シンキングターイム、スタート!
難易度 ☆ (そのまんまコース)
(1) 沈黙的羔羊(羊達の沈黙)
(2) 我的左脚(マイ・レフトフット)
(3) 蜘蛛侠(スパイダーマン)
(4) 迷失的世界(ロストワールド)
(5) 十一羅漢(オーシャンズ・11)
難易度 ☆☆ (よく見りゃわかるコース)
(1) 香草天空(バニラ・スカイ)
(2) 完美風暴(パーフェクト・ストーム)
(3) 哈利波特(ハリー・ポッター)
(4) 大兵瑞恩(プライベート・ライアン)
(5) 鐡達尼號(タイタニック)
(6) 廊橋遺梦(マディソン郡の橋)
難易度 ☆☆☆ (まったく謎コース)
(1) 阿甘正傅(フォレスト・ガンプ)
(2) 虎胆龍威(ダイ・ハード)
反転させる(文字をドラッグする)と解答が見られます。
振成楼で過ごす最後の日、
それまでどこか大きな街に物資の補給に行っていた楼主一家のママが、
手に大きな包みをいくつも抱え、ひょっこりと戻ってきた。
おばちゃん体型ばりばりの先代楼主夫人に挨拶する横で、
「ママも帰って来たことだし、今日はあなた達の最後の夜だ。盛大にやろう!」
と、山間部では採れない食材の数々を嬉しそうに紐解きながら、先代楼主が言った。
そりゃ、トイレの度に鼻腔と瞳孔をヒクヒクさせたのも確かだ。
蒸飯は毎朝毎晩同じメニュウだったし、シャワーを浴びることも出来なかった。
楼主とバイタクの運ちゃんに言いくるめられ、あれこれぼったくられた気もする。
息子楼主とその友人が花火に誘ってくれたので喜んでついて行くと、
奴らが使った爆竹代を全額請求され、言い争いになったこともあった。
だけど、この旅最初の難関をなんとかクリアー出来そうなのも、
やっぱりこの人達のおかげに違いなかった。
中国語のイロハも知らない私達に、よくぞ懲りずに付き合ってくれたものだ。
素直に感謝しなければ、そう思った。
それで、私達はその夜、日本から持参した味噌と「ふえるワカメちゃん」で味噌汁を作り、
楼主の家族に振る舞うことにした。
土楼の住人達に外国の食べ物を口にする機会なんてまずないことは、
数日を共に過ごしただけの私達にも、充分に察しがついたからだ。
例えば、持参している食材が梅干や納豆だけなら遠慮もするが、
ミソスープは世界で認められたヘルシーでグッテイストな日本料理だ。
客家料理は、日本人にもどこか懐かしさを感じさせる風味を持つ。
味噌汁の味も、同じように客家の人たちに親しまれるに違いない。
私達は、なけなしの味噌とワカメを惜しまずに使い、人数分の味噌汁をこしらえた。
ママが帰ってきて、それまでより多彩になることを期待していた食卓には、
結局のところ、いつもと同じ顔ぶれが並んだ。
野菜の炒め物A、野菜の炒め物B(Aと同じ味付け)、卵の炒め物(Bと同じ味付け)、
それに加えて、白米と肉団子スープ・・・・と思いきや、
本日のスープには、もうすっかり食べ飽きたあの肉団子が入っていないではないか!
その代わりに入っていたのが、ママが今日仕入れてきたばかりの、ごわっと肉厚なワカメ。
私達の味噌汁には、ぺらんぺらんに薄べったい「ふえるワカメちゃん」。
不運なことに、完全にバッティングしてしまっている。しかも具の部では完敗だ。
そればかりではない。
私達が食卓に持ち込んだ異国の一品を見ても、誰も歓喜の声を上げないのだ。
特にママは、自分の料理に喧嘩を売られたと感じたか、
憮然として味噌汁を睨みつけている。
先代楼主も息子楼主も、ママの顔色をちらちらと窺うばかりだ。
取り繕うように、筆談で味噌汁の説明をする。
感謝の気持ちを込めた日本の料理だと分かると、全員が一様に表情を緩ませ、
「へえ!日本の料理だってさ!試してみようじゃないか!」と、場が和んでいった。
そして振成楼での最後の晩餐が始まる。
先代 | さて、日本のスープとやらをいっちょ飲んでみるか。 どれどれ・・・・・・・ん、んまい!おいしいじゃないか! 母さんも飲んでみなさい、ほら。 日本の料理なんて、滅多に食えるもんじゃないぞ。 |
ママ | あらあら、そんなにはしたなく飲み散らかして! お母さんにも少し下さいな。・・・・・ん、おいしい!客家の味と少し似てるのね。 これ、どうやって作ったの?私にも作れるかしら? |
息子 | じゃあ俺、母さんの作ったスープと飲み比べてみるか。 んん・・・・・・うーん、どっちもうまいや!わははははは! |
一同 | あはははははははははは! |
先代 | そうか、こんなに大勢で食べる夕食も今晩で最後だな。 本当に明日行くのかい?寂しいもんだな・・・・・・。 いっそのことここで暮らせばいいじゃないか。なあ? |
ママ | やあね、父さん。お二人には帰るところがあるじゃないの。 それにこんな所で暮らしたら、日本のご両親が寂しがるわ。 |
先代 | そうさの。でもな、いいか日本の若いお二人よ。 ここはもう、君達の第二の故郷なんだよ?またいつでも帰っておいで。 |
息子 | そうだよ!俺、本当の兄弟だと思っていつまでも待ってるよ。 |
夫婦 | うん・・・・・ありがとう、ありがとうございます。 |
そして一同、涙を笑いで吹き飛ばすように、最後の夜を楽しむのであった。(完) |
・・・・・・・・・・・と、なるはずだった。
これが「うるるん滞在記」なら、そうやってエンディングを迎えるはずだった。
ところが、事は台本通りに進まず、実際のところは。
まず最初に味噌汁に口をつけた先代楼主が、
「ぐぇぇぇ、超まずい!なんだこりゃ、これでも食物か?母さんも飲んでみろ、ほら!」
と、青汁を飲む悪役商会のように見事なまずいっぷりを表現し、
次に飲んだ母さんは、無言で味噌汁の器をシッシッと追い払う仕草をし、
最後に、私達の悲しそうな表情を見ていた息子楼主が、
それでもやっぱり、わざとらしく「うぇぇぇぇぇ!」と吐く真似をして見せた。
私はもう、さっきまでの感謝の念なんてどっかにすっ飛んで、
ここ数日の嫌な出来事ばかり思い出し、悔しくて悔しくて涙が出そうなほど悔しくて、
やるせなくなって箸を置いたら、本当に涙が出てきた。
旦那は、もったいないと言わんばかりに、久しぶりの味噌汁を一人でがつがつ飲んだ。
そんな姿を見てもなお、楼主の家族はその暴走を止めることなく、
私の小椀にママのワカメスープを無理矢理よそって「こっちを飲め!」と言い、
旦那の味噌汁を取り上げて外に捨てようとし、
それでもまだ足りないのか、味噌汁を口に運ぶふりをしては「うぇぇぇぇ!」を繰り返した。
そして先代が、「やっぱりママの料理じゃないと駄目だ!」みたいなことを言って、
ママは満足そうににっこり笑った。
そうやって、振成楼で過ごす最後の夜は、私達の想いを打ち砕きながら更けていった。
翌朝、出発する私達を見送ったのは、早起きしてきたママ一人だった。
ママとは、昨晩初めて会ったばかりだったから、感動の別れなんてあるはずもなく、
ママもママで、部屋代と食事代だけ受け取ると、さっさと寝室の中へと戻っていった。
一食につき一人十元、そこらの食堂よりよっぽど高額な食費だった。
そして私達は振り返ることもなく、客家の人たちが暮らす丸いお家を後にした。
味噌とわかめちゃんと旅に抱いていた儚かった夢の分だけ、バックパックが軽くなっていた。
あばよ、振成楼の人達。この味噌汁の恨み、いつか必ず倍にして返す!
客家の民族が暮らす永定の土楼には、風呂はおろかシャワーもない。
土楼内で水が出るのは、屋外の台所だけ。
水浴びなど出来ず、濡れタオルで体を拭くのが関の山だ。
トイレだって垂れ流しである。
もっとも、トイレと呼べる設備(個室)があればマシな方で、
ある土楼では、青空の下、ドブ川に板を2枚渡したその隙間から用を足し、
ある土楼では、他の住民の目を気にしながら、中庭のバケツに用を足す。
私達の泊まった振成楼にも、住民共用で使う小便限定の垂れ流し溝があるのみ。
夜になれば、灯りがないのをいいことに、住民達は廊下のバケツに用を足す。
土楼の裏口から表へ出て徒歩2分、畑の中にぽつんと建つ大便用の小屋の床には、
昼夜、ウジ虫達がうようよ蠢いていた。
そもそも、敵の襲来から身を守るための土楼(城壁)なのに、
トイレがその外にあったら意味ないような気がするのだが。
戦闘中、「ちょっとタイム」とか言って、そそくさと排便しに行ったのだろうか。
そんな、今なお風呂に入らぬ生活を続ける客家の人々だが、
そのほとんどの家庭の居間にはテレビがあり、
男達は腰のベルトに携帯電話をくっつけ(ださっ)、
振成楼には、なんとデジカメとカラープリンターまでもが設置されていた。
そんなことに使う金があるのなら、
まずトイレを作り、風呂に入って出直すべきだと思う。
断末魔、という言葉をご存知だろう。
生命ある者がそれを絶たれる時、最期に発する魂の音・・・とでも表現するべきだろうか。
しかし、実際にそれを耳にしたことがあるかと問われれば、
大多数が「ノー」と答えるに違いない。
しかし私は今日、ここ中国大陸の奥深い農村で、初めてその音を耳にした。
永定は、福建省の南端に位置する小さな町だ。
とりたてて特徴もなく、一見すると観光客が立ち寄ることもなさそうな町だが、
その郊外に、客家の人々が暮らす「土楼」が今も多く存在するため、
観光の拠点として、内外にその名を知られている。
私達も例に漏れず、数日かけてその「土楼」を見学するべく、永定を訪れた。
しかしながら目指す土楼は、町からさらに数時間離れた、ド田舎のド農村にあった。
土楼を見学するための足となる、公共の交通機関はない。
仕方なく私達はバイクタクシーを2台チャーターし、
それぞれの運転手の背中にしがみつきながら、数々の土楼を見学して回ったのだった。
その夕刻、私達を乗せた2台のバイクは家路を急いでいた。
この辺りに街灯と呼べるものはなく、
陽が落ちれば、舗装もままならない山道を帰るのに危険が伴う。
道路端から、その小さな影が飛び出して来たのに気付いた時は、
バイクはもう、その事故を避けることが出来ないほどに彼に近づいていた。
最初の振動が尻に伝わってきた時、前輪はまさに、彼の柔らかな身体を踏み越えていた。
そして次の一瞬、私の足元から10センチほど下の地面で、
第二の急襲が、命からがらの彼を見舞った。
後輪が彼に与えたのは、決定的な死以外のなにものでもなかった。
その時だ。
「ぷきゅう!」彼は確かにそう言った。
彼がこの世に最期に残していった言葉は、ぷきゅう。
大きな衝撃にハンドルを取られ、右へ左へと揺れ走るバイクの後ろで、私は悲鳴を上げた。
頭の中で時の流れがぴたりと止まり、まばたきも出来なかった。
錆びつき泥だらけのバイクを蹴りつけるように、私はじたばたと暴れ、
言葉の通じぬ運転手に、すぐに停止することを要求した。
ところが、もちろん事故に気付いているはずの運転手は、バイクを止めようとしなかった。
あろうことか、完全にひき逃げの態勢だ。
しかし、やはり動揺はしているのだろう。
おもむろに振り返り、自分が犯した罪の現場に目をやった。
それにつられるように、おそるおそる振り返った時には、
彼の小さな亡骸が、すでに数十メートルも背後へぽつりと残されていた。
そして、運転手がスピードを上げるにつれ、
まるで命の残り火が消えていくかのように、それは彼方へ吸い込まれていった。
数十分後、夕暮れと共に、宿泊していた振成楼へ到着した。
バイクを降りた途端、猛烈に抗議する私をチラっと横目に見て、
運転手は、旦那を乗せて私達の前を走っていたもう一台のバイクタクシーに、
狼狽をさらけ出し、早口に事の次第を説明した。
一瞬の沈黙ののち、信じられぬ光景を私は目にした。
二人が、顔を見合わせながら大声で笑い転げたのだ。
紅く染め上がる空が照らすのは、狂ったように凶暴な彼らの表情。
二人は、唖然とする私に気付くと、
腰を折るほどに腹をかかえ、地団駄を踏んで、なおも笑い続けた。
状況を察知できずにいる旦那をよそに、狂った男達はのた打ち回る。
口封じに、私達をも殺害するつもりなのかと背筋を冷たくしながら、
私はとにかく抗議を続けた。
すると、私を乗せていた運転手が、身振りでこう言ったのだった。
「大丈夫!やつは今夜のおかずになるだけさ!」
そしてまた、狂ったように笑い始めた。
逝ってしまった小さな命よ。
私だけはあなたの冥福を心から祈っています。
願わくは、あなたが立派な焼き鳥になったことを。
赤くて立派だったあな@???? の?≪??8?8残していった声も、私は一生忘れない。
ぷきゅう?たのトサカも、最期に残していった声も、私は一生忘れない。
ぷきゅう?
西洋情緒あふれる街並みで有名な、厦門の街で、
看板にスパゲティの写真を掲げた、ナウな感じの安レストランを発見した。
ギトギトの中華料理にうんざりしていた私達は、もちろん即座にご入店。
看板を指差し、日本語でいうところのスパゲティミートソースを注文したが、
目の前に出されたのは、まさにスパゲティ酢豚(の挽き肉)であり、
当然のように、片栗粉でトロミがつけられていた。
さて、この「酢豚スパ」のお味をお試しになりたい方は、
お近くのスーパーで酢豚ミックスと挽き肉を購入し、
サラダ油の代わりにエンジンオイルを使って調理した後、
かなりノビノビになるまで茹で上げたスパゲティにぶっかけちゃって下さい。
制作者に殺意すら抱く世紀の一品を、ぜひご家庭でも。
そういえば、新宿の雑居ビルなんかのエレベーターの床に、
ツバやタンがペッペされているのを、よく見かける。
なんつーデリカシーのない奴が世の中にはいるもんだ、と思っていたけど、
今日、謎は全て解けた。じっちゃんの名にかけて。
あのツバ吐きの犯人は、絶対に中国人だ。
そう疑われても仕方ないくらい、人民の皆さん、どこにでもツバを吐く。
整備された歩道にも、地下鉄のホームにも、高級ホテルの入り口にも、食堂の床にさえも。
日本では、ツバを吐くのはオッチャンかアンチャンと相場が決まっているが、こっちでは違う。
すでにオンナを捨ててるであろうオバチャンはもちろんのこと、
若くてキレイなオネーチャンまで、平然とペッペペッペする。
小さな子供を連れたヤングなママも、スーツ着て颯爽と歩くオフィスレディも、
なんとまーデート中の彼女さえも、彼氏の前でペッペしている。
ツバだけじゃない。
安い食堂や屋台が並ぶ路地には、食べ物の食いカスが散乱している。
果物の皮や種、貝殻、魚の骨、噛み切れなかった肉片を、
ツバ同様、口から路上にダイレクトにペッペする。
紙くずやペットボトル、空き缶など、
日本じゃまず、余程フテブテしい奴でもなきゃポイできないようなものも、
こっちでは、路上に投げ捨てるのが当たり前。それはもう、豪快に投げる投げる。
ゴミ捨て場を探す我が子の手から空き缶を奪い取ると、
「ゴミはこーやって捨てるのよ!」とばかりに、路上に投げる親。
5mは吹っ飛ばされて大きな音を立てる空き缶、口をポカーンとしてそれを眺める子供。
そんな風景が、上海のような都会でさえ、日常的に見られる。
まさに、街中がゴミ箱状態なのであーる。
そして、街のみならず人も汚い。
中国の、特に田舎地方には、風呂に入るとかシャワーを浴びるという習慣がないらしく、
お上りさん軍団の中にまぎれると、そこはかとなく臭い。
髪も洗わず、みんなしてポマード頭っぽい。
黒っぽい人民服(ダサいスーツみたいの)を着たオヤジなら、
100%の確率で、肩に粉雪が積もっている。
そして、極めつけはトイレ。ちょっとやそっとじゃ書ききれないから書かないけど、
とにかく、ハンパじゃなく汚い。
ある日本人に聞いた話だけれど、
彼が、上海の路上で、持参した携帯灰皿に自分の吸殻を捨てようとしたところ、
公安(警官)がやって来て、
「そんなことをしたら、清掃員の仕事が無くなるじゃないか!」と、彼の吸殻を奪い、
これ見よがしに路上に踏み付けて、去って行ったそうだ。
そおか!中国が不潔なワケが、これでわかった。
中国人の皆さんは、清掃員さんに心置きなくお仕事してもらうために、
心を鬼にして、ペッペとかポイポイとかしてたんだね。
汚いから清掃員さんがいるんじゃないんだね。
清掃員さんのために、仕方なく汚くしてるんだね。思いやりだね。
中国人の皆さんは、本当はキレイ好きのキレイキレイさんなんだね。
ほとんど風呂に入らずにいつもベトベトな頭をしてるのも、なんか臭いのも、
美容師さんやソープの姉ちゃんや洗濯屋さんに、
心置きなく仕事させてあげるためなんだね。思いやりだね。
あれれれ、書いてたらなんか腹が立ってきたぞ。おかしいな。
なので、今日はもうおしまい。
上海には、それはもう立派な地下鉄が走っている。
最新鋭の切符販売機、および自動改札機を完備。
構内にはキオスクや軽食屋が充実。
ホームにはセンスの良い駅名表示、そして電光掲示板。
なんと環境に配慮したのか、切符は使いまわし可能な電子カード式。
日本のそれすら太刀打ちできないほどの設備を整えた地下鉄は、
上海の街を周遊するのに、最も快適な乗り物だと言えるだろう。
問題は、たかが小雨が降っただけで、大量の汚水が構内に流れ込むことだ。
最新の設備を充実させる前に、水が上から下に流れるということを学ぶべきだと思う。
上海は、運悪く「リバーフェスティバル」の真最中であります。
どうやら、日本のゴールデンウィークと同じような大型連休が中国にもあって、
それに合わせて行われるお祭りらしいです。
普通、お祭りの時期に偶然その土地を訪れれば、
ラッキーなことに、とか表現したいものですが、
残念なことに、こればっかりは非常に不運だと思わざるを得ません。
なぜかというと、便座にウンニョがくっついているからです。
端から端まで、ことごとく、覗いたトイレの全ての便座に、ウンニョがくっついているからです。
便器じゃありません。洋式トイレの、座るトコロのお話です。
要するにこうゆうこと。
あ、ちなみにこれは、ホテルやデパートなどのちょっと高級な場所のトイレの話です。
街中にある公衆便所は、和式(中国式)であるかもしれませんが、
あまりの異臭に、上陸2日目の私にはちょっとトライできません。
かくして今日一日、おしっこ我慢してましたYOメーン。
心に夢と大志を抱いて歩みだした、旅のその、謂わば初日すよ?
知らぬオバチャン達の汚物を何十と見せつけられると、誰が予想したでしょうか。
まじでもー、お便所だけはキレイに使って欲しいのです、中国人の皆さん。
お上りさんツアーで街が混雑してるとか、
お上りさんの捨てるゴミが散乱してるとか、
なんか臭いとか、
服がダサいとか、
そんなことは、もうどうでもいいや。
神戸、大阪から上海までを、2泊3日の航路、
そして約2万円というリーズナブルな価格で結ぶ「新鑑真号」の船体には、
「中国なんたらかんたら一級ほにゃらら客船」と、難しい漢字で記されています。
要するに、中国的に最高級客船だと言いたいらしいです。
だから当然といえば当然ですが、
船内には無料で使える洗濯機と乾燥機(共に中国製)が完備されています。
旦那の実家を出発してから一度も洗濯してない私達には、
これは嬉しいサービスです、利用するしかありません。
早速、持参した洗剤を入れて、全自動洗濯機のスイッチをオン!
おお、よく回ります。ぐるぐる回っております。
ほんの40分ほどで、滞りなく脱水までいたしてくれました。
さすが最高級客船です。
さあ、次は乾燥機の出番です。
がちがちに脱水された洗濯物を詰め込んで、スイッチをオン!
あら、回りません。一回転も回りません。
試しに横腹に一発パンチを喰らわせてみます、もちろんグーで。
おお、回りました。ぐるぐる回っております。
さすが最高級客船です。
60分が経過しました。
はてさてどうしたことか、これっぽっちも乾いていないじゃないですか洗濯物。
時間が足りなかったのでしょうか。
仕方ないので、最大の200分までメモリを回してみます。
おお、今度は一発で回り始めました。
さすが最高級客船です。
さらに200分が経過しました。
はてさてどうしたことか、うんともすんとも乾いてないじゃないですか洗濯物。
時間が足りなかったのでしょうか。
仕方がないので、さらに200分のメモリにセットしてみます。
あら、回りません。一回転も回りません。
試しに横腹に一発パンチを喰らわせてみます、もちろんグーで。
あら、回りません。一回転も回りません。
仕方がないので、放っておきましょう。
30分ほど経過しました。
放ったらかしの洗濯物が気になります、見に行ってみましょう。
あら、回ってます。なぜだかぐるぐる回っております。
さすが最高級客船です。言葉もありません。
さらに200分が経過しました。
はてさてどうしたことか、ほとんど乾いてないじゃないですか洗濯物。
時間が足りなかったのでしょうか。
仕方がないので、さらに200分のメモリにセットしてみます。
おお、回りました。ぐるぐる回っております。
さすが最高級客船です。ちなみに今、深夜3時です。
さらに200分が経過しました。
はてさてどうしたことか、回ってないじゃないですか乾燥機。
どうしたことでしょうか。
例によって横腹に一発パンチを喰らわせてみます、もちろんグーで。
あら、回りません。一回転も回りません。
仕方がないので、放っておきましょう。ちなみに今、早朝6時です。
さらに120分が経過しました。
放ったらかしの洗濯物が気になります、見に行ってみましょう。
あら、回ってます。なぜだかぐるぐる回っております。
ところがどうしたことか、なんだか変な匂いがするじゃないですか洗濯物。
きっと何かの間違いでしょう。さらに200分のメモリにセットしてみます。
おお、回りました。ぐるぐる回っております。
さすが最高級客船です。
さらに200分が経過しました。そろそろ下船の準備をする時間です。
ところがどうしたことか、さらに匂うじゃないですか洗濯物。
どうなってんだこの乾燥機。
仕方がないので、このまま持って下船しましょう。
さらば、中国的最高級客船よ!
中国製乾燥機で洗濯物が「生乾く」までに要した時間 16時間50分!